ロストバージン·レクイエム


Tシャツを引っ張り上げられてお腹が露わになり、反射的に手で隠した。

彼はそれをどかせ、胸元にもキスしながらしきりに私の背中を探っている。

どうやらブラジャーのホックを外そうとしているらしい。

あんまり下着姿には興味ないのかな。せっかく用意したのにちょっと拍子抜け。


「あれ?」

「?」

「どうやって外すの?」

「!」


同じ場面、漫画で見た!!


小さな感動を覚えつつ「こう」と、彼の背中を摘まんで教える。
けどよく分からないようで、苦戦している。


「……自分で外してもらっていい?」

「えぇー、諦めるの?」


地味にショックを受けたけど、しょうがないから自分で外す。


「……!!」


軽い解放感を感じたと思ったら、次の一瞬でTシャツごと剥かれてしまった。

完全に悪あがきだけど身体を丸めて少しでも見えないようにする。


「見せてよ」

「……電気、消して」


あぁ、これもどこかで聞いたセリフだな、と笑ってしまったけれど、彼にその顔は見えていないだろう。


照明が消え、瞬時に視界が奪われた。
< 102 / 117 >

この作品をシェア

pagetop