ロストバージン·レクイエム



同じフロアにいて顔も見るし、出社してるかどうかは分かるけど、なかなか川島君に話しかける事が出来ない。

自分から積極的に喋らないというイメージが強い私が誰かと(しかも違う部署の若い男)親しげに話しかけているのを見られたら、どんな噂が立つか分かったもんじゃない。

一息つこうと給湯室でお茶を淹れているときだった。



「梅田さん」



声がして振り返ると川島君がいた。
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