ロストバージン·レクイエム

慌ててケースを閉めた。

本当に今日しちゃうんだ。

そのつもりで来たのは間違いないんだけど。

実際匂わせるものを見ちゃうと動揺するなあ。


「おまたせ」


頭をタオルで拭きながら川島君が戻ってきた。
ボーダー柄のタンクトップを着ている。

肩や上腕といったいつもは見えないパーツが見える。
服の隙間から素肌が見える。
濡れた髪に光る水滴が見える。

鼻血出そう。

絶対私おかしい。


「はーい」


平静を装ってバスルームに向かう。

持って来た歯磨きセットで歯を磨いて化粧を落とし、お風呂に入る。

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