朱雀の婚姻~俺様帝と溺愛寵妃~
柚は暇な日中を庭で過ごすことが増えていった。


池の鯉に餌を与えて、太陽の光を全身に浴びてボーっとするのが好きだった。


身体が鈍ってしまうので、剣道の素振りの練習をしたり、簡単なストレッチや筋トレに勤しむこともある。


それに、庭にいたらまた、暁の弟の稚夜に会えるかもしれないという期待もあった。


けれど、稚夜はあの日以来来ていなかった。


 今日も柚は一人で庭に出て、新鮮な空気を吸い込み深呼吸していた。


すると突然、空から大きく紅い鳥が庭の木に降り立った。


長く立派な尾ひれに、生意気そうな瞳。


(朱雀だ!)


 柚は心の中で叫んだ。


「よお、貧乳」


 朱雀は木の上から柚を見下ろして言った。
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