エンドレス・ツール
「でも、結んだら印象だいぶ変わるよ。りー、ヘアゴム持ってる?」

「え? あ、シュシュなら……」


鞄から赤チェックのシュシュを取り出して翔さんに差し出すと、翔さんがあたしの髪を手櫛で整え始めた。


女の子に自分の髪をいじられることは嫌じゃないけど、男の人に触られるのは初めてだ。


ドキドキする。


心臓、持たないよ。


時々首に翔さんの指先が当たって、その部分が火照る。


すぐ隣に、翔さんがいる。


そう思うだけで、すごく恥ずかしい気持ちになった。


恥ずかしい……のかな。


でも、こんな気持ちになるのも悪くないかな……。


「はい、できた」


翔さんの指があたしの髪の毛から離れる。


あたしの髪はサイドで結ばれていた。


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