恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
「ふぅん……」
山岸の歯切れの悪い返事が、あたしを疑ってるみたいに聞こえた。
だけど、そんな山岸へのフォローも忘れるくらいに頭の中が先輩でいっぱいだった。
山岸の一言で呼び起こされた先輩の残像が、頭を支配する。
変な病に感染していく。
……先輩の存在に浸食されていく。
じわじわ、じわじわ。
痛いほどのスピードで、侵されていく―――……。
もう、自分でもよくわからない気持ちで体中がいっぱいだった。
どうしたらいいのか、分からない。
どうすればいいのか。
この気持ちがなんなのか……。
分かりたくないし……、気付きたくない。