恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*

友達として



そのまま生徒会室を飛び出した時、先輩があたしを呼ぶ声が聞こえた。


たけど、無視して教室までの廊下を走った。


1時間目が始まったばかりの廊下には誰もいなくて、あたしの足音だけが響く。

教室に入る事を少しだけためらった後、後ろのドアをそーっと開けた。


……そーっと開けたところでどうせバレて怒られるだろうけど。

でも、教室の中は想像とは違って、結構騒がしくて。


不思議に思いながら、もう少しだけ開けて教壇を見ると、そこには誰もいなくて。

代わりに、黒板に“自習”の文字があった。


ほっとため息をついて、教室に入ろうとした時。

廊下側の席の辺りで仁美の声が聞こえた。



< 215 / 364 >

この作品をシェア

pagetop