恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
仁美が目を伏せながら言うと、山岸が「だろ?」って困り顔で笑う。
「朱莉、気強いけど、人をキズつけたりだとか自分がキズつけられたりだとか……、そういうのに臆病じゃん。
そんな朱莉が必死にオレに気持ちを伝えようとしてたのに……、無視して困らせたりして。
あんな必死になって返事しようとしてくれてんのにさー。
あー、もーオレ何やってんだろ……」
頭を抱えて机になだれこんだ山岸を、仁美が笑う。
「だから、お詫びで相沢先輩との事応援してたんだ。
ほとんど振られてるようなもんなのによくやるよね」
「……だって、やっぱオレ朱莉好きだし」
「女々しいヤツ」
「違うって。そりゃもちろん女としても好きだけどさー。
……友達としても好きなんだよ。振られたって何されたって。
だから、オレに気をつかって会長とうまくいかないなんて、オレが納得いかねーし。
出来る限り、協力してやりたい」