恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
むくって上半身を起こした山岸が、頭の後ろで腕を組む。
そして、天井を見上げながらイスを後ろに傾けてバランスを取る。
「友達の恋は応援してやりたいって思うのは当然じゃん」
『友達の恋は応援してやりたいって思うのは当然じゃん』
……山岸は、バカだ。
「あれ? 朱莉、おはよーって……、え、泣いてる?!」
友達に発見されて、慌てて目を隠したけど……、涙が止まらなかった。
「あ、なんでもない……」
泣きながらも首を振ったけど、駆け寄ってきた仁美と山岸の顔を見て、また涙がこみ上げる。