恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*


驚きすぎて、まばたきするのも忘れてた。


少し強くなってきた風が、すぐ近くにいる先輩の黒髪を揺らす。

先輩は、髪をかきあげながら説明する。


「悪い噂って言っても、全部事実だけどね。

朱莉をキズつけたのにすぐに他の子に平気で手を出すような事は控えて欲しかったから。

……でも、朱莉ももう少し見る目を養わないと」

「角田の事、なんで知ってるの……?」


角田と付き合ったり振られたりしたのなんて、先輩と会う前の出来事だ。

……振られたのは、生徒会の取り締まりが始まる1日前だけど。


信じられない気持ちで見つめていると、先輩はさっきと同じように生徒会室を指差した。



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