恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*


「あ、じゃあギャップ狙いでグロスつけた唇で迫ってみれば?

メイクも大人っぽくして。どうせまだ次の作戦思いついてないんでしょ?」

「……無理。っていうか無謀だし……」

「確かにメイクぐらいじゃ色っぽさなんかでねぇよなぁ」


うなだれながらも、山岸を睨む。


「無謀なのはそこじゃないし! 迫るってとこ! 

相沢先輩に迫るとか、考えるのも無理っ!」

「確かにそうだよねー。

色気じゃ相沢先輩のが勝ってるし、朱莉が迫ってクラクラする相沢先輩なんて想像できないし。

それこそ返り討ちされる事間違いなし」


仁美の言葉に、山岸が頷く。

あまり頷きたくなかったけど、返り討ちにされる光景が簡単に想像できて、頷かざるをえなかった。



あのキザ男に色気落としが通用するなんて……。

0%よりありえない。



< 63 / 364 >

この作品をシェア

pagetop