恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*
「あ、じゃあギャップ狙いでグロスつけた唇で迫ってみれば?
メイクも大人っぽくして。どうせまだ次の作戦思いついてないんでしょ?」
「……無理。っていうか無謀だし……」
「確かにメイクぐらいじゃ色っぽさなんかでねぇよなぁ」
うなだれながらも、山岸を睨む。
「無謀なのはそこじゃないし! 迫るってとこ!
相沢先輩に迫るとか、考えるのも無理っ!」
「確かにそうだよねー。
色気じゃ相沢先輩のが勝ってるし、朱莉が迫ってクラクラする相沢先輩なんて想像できないし。
それこそ返り討ちされる事間違いなし」
仁美の言葉に、山岸が頷く。
あまり頷きたくなかったけど、返り討ちにされる光景が簡単に想像できて、頷かざるをえなかった。
あのキザ男に色気落としが通用するなんて……。
0%よりありえない。