恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*


自分に言い聞かせようとしただけなのに、意外にも大きな声だったみたいで、仁美に止められる。


「しっかし、朱莉は毎日生徒会長にあんな事されてるんでしょ?

なのによく好きになっちゃったりしないよね」

「はっ?!」

「だって普通の子だったら好きになってると思うけどなー。

好きにはならなくても、ぜったい意識はしちゃうでしょ」

「だ、だから、それは、相沢先輩のわざとらしい演技がかったキザ行為にドギマギするだけで、恋とは違うんだってば!

あんなタイプの男に免疫がないからドキドキしちゃうだけ!」


―――言ったとおりなのに。

なんで、もう相沢先輩は目の前にいないのに、ドキドキが止まらないわけ?


頼んでもないのに、頭の中に先輩の声だとか映像が繰り返しリピートされてるの?

なんで……、触られた唇が熱を持つの?


あたし……、おかしくない?



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