恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*


角田の事はすっかり頭から抜けてるし、浮気したって噂を聞いても、“またか”くらいにしか思わない。

それって、角田を好きじゃなくなったからだって言えばそうなんだけど。

感心がなくなったから。


―――でも。

それじゃあ、今あたしが感心を持ってるのって……。


そう考えた途端、まるで用意されてたみたいに、頭の中に相沢先輩の顔が浮かぶ。


甘いマスクに甘い声。
それに加えてキザな仕草にセリフ。

思い出しただけで顔が熱を持つのが分かった。


思い出しただけで……、胸がキュッと苦しくなってイライラする。

イライラ、イライラ。



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