恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*


「あれ? なんだ、朱莉だったのか」


図書室の埃っぽい空気の中でも涼しい顔を向けてくるのは……、今朝も校門でたっぷりイヤミを吐いた生徒会長。


「……なんで、先輩が……、」


その理由を探していた時、ポケットの中でケータイが震えた。




from.仁美
sub.密室作戦!
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密室に2人きり。
やっぱりこれが
一番ベタでしょ。

健闘を祈る!

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「……最悪」


パチンとケータイを閉じながら言うと、先輩が近づいて、机を挟んで向かい合うように座った。


「知らない子にここに来るように言われたんだ。

大野さん……って言ったかな。用がある子が図書室にいるからって。

……まさか朱莉だとは思わなかったけどね」



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