重なる身体と歪んだ恋情


「……あぁ」


気がついたのは彼女のドレス。

やはり外国のものは外国人向けに作られているのか、彼女には合わない。

と言うか、


「見えるんですよね」


そう口にして思わずクスリと笑ってしまった。

大きく開いた胸元から見える彼女の胸。


「あなたになら子供用のほうがよかったでしょうか?」


聞いたところで答えは無いけれど、聞こえていても彼女は不機嫌そうに視線を逸らすだけだろう。

どちらにしてもこれは捨てさせよう。

家の中だけならまだしも、他の人間に見せるつもりは無いから。

だからそれはゴミ箱の中に放り込んで部屋の外に出た。


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