星に願いを
卓哉の軽いノリにちょっと笑いながら、美紀の方へ話題を移す。


「美紀ちゃん、今日はもう終わりなの?」


「そうなの。最初だから1時間くらいで終わったの。これから学校にも行かなきゃいけないしね。」


それでね~と嬉しそうにメールを見せてくれた。




――10時半、病院の前で。――




「この前話したでしょ?その彼が今日迎えに来てくれるの~♪」


うふふ…と笑いが止まらない美紀。


「白鳥さんはお幸せでいいですね~、僕と違って。あ、うそうそ。
その調子でリハビリも笑顔で頑張りましょうね~!」


卓哉がわっはっはと笑いながら、リハビリ室に戻って行った。


「せっかくだから、ほしちゃんも玄関まで来て?彼を紹介したいの。」


「はい。そうしますね。」


可愛い美紀の好きな人だもの。


きっと素敵な人なんだろうな。


松葉杖の美紀を支えながら、エレベータで1階ロビーまで降りた。


< 10 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop