星に願いを
車の中で、普段あまり話をしない悠が唐突に言ってきた。


「彼女は…あの看護師さんは、友達なんですか?」


「そうよ。この病院で知り合ったの。とても親切で、優しくて、お姉さんみたいな人よ。」


美紀は嬉しそうに言った。


「名前は…?漢字は…?“せいこ”とはどう書くんですか?」


美紀は不思議そうに「知っているの?ほしちゃんのこと。」と運転席の悠の方へ身を乗り出した。


「いや…。せいこさんと名乗っていたのに、ほしちゃんって言っていたので…。」


美紀は「あぁ!」と言いながら説明をしてくれた。


「”星の子”って書いてせいこちゃんよ。可愛い名前よねー。」



悠はその後何も言わず黙って運転に集中した。
< 12 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop