星に願いを




3日後。


5階の整形外科病棟から、10階にあるリハビリ科に向かう為、星子は首をコキコキ回しながらエレベータを待っていた。


昨夜、卓哉が整形外科病棟に顔を出し、明るい命令口調でこう言った。



「明日、白鳥さんのリハビリが10時頃終わるから、その頃に顔出せよ。」


(夜勤明けだから、早く帰りたかったな)


美紀ちゃんからも顔出してねとメールがあった為、疲労感はあったがリハビリ課科に向かうことに決めた。。


10階に着くと、エレベータホールの待合室で、美紀と卓哉が話をしていた。


「よう、来たな!」


「来たなって…。命令したくせに。」


「ほしちゃん、夜勤明けなのにまだ仕事?もう10時だよ。」


「ちょっと急患が出たのでその対応に追われていて。」


「そうなんだ、やっぱり看護師さんは大変だね。」


卓哉は星子の顔を覗き込んだ。


「そんな仕事ばっかりしてると、お前が倒れるぞ。」


美紀がからかうように星子の肩をツンツン指差した。


「ねぇもしかして、川北さんってほしちゃんの彼氏?」


「違う違う!友達」


慌ててブンブンと手を振って否定した。


美紀がからかうように言うもんだから、つい口調が激しくなってしまった。


「そんな全否定しなくてもいいだろ?」


俺ちょっとへこむな~と下を向いて泣き真似をした。


…卓哉、相変わらず変わってないな。


反応が軽いっていうか。





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