SHIN
SHIN

ただっ広い部屋の中、夕日に照らされて埃が舞っている。
数日前までは何かポスターかカレンダーがかかっていたのか、壁の一部が白く残っている。

そんな中、二人の男が段ボールに荷を積めている。
一人の男が腰を叩きながらぼやくように言う。
「ついにここもオートメーション化か。」
もう一人の男が答える。
「仕方ないだろう。ここ数年で犯罪者の数は激増。看守が殺された例もあるって聞くぞ。ほら、俺らの二個上の林さん、先日けがしたらしいじゃないか。」
「それで、看守をロボットに、か。」
「危ないことはロボットに任かしときゃいいのさ。」
「身体は安全でも職がなきゃ危ないのは一緒だろ。」

二人の男は首をすくめて、部屋から出て行った。
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