魔法都市
「あれ?……痛くない?」
(え…)
少年は恐る恐る目を開ける
そこには奏が男の拳を受け止めている姿があった
「いいオトナが一人の男の子に三人がかり?」
「なっ…んだと!?」
奏は三人を見ながら余裕綽々とフッと笑いながら言う
「さっきとこの子の財布置いて去りなよ。……それともジャッジメントに捕まりたいの?」
「はっ!ジャッジメントなんざ怖くねぇよ!あんなガキしか居ねぇところなんか」
「オレたちにはこれがあるからな!!」
すると、一人の体に電撃を纏う
(……能力者か)
「あ…危ないですよ!」
少年が奏に背中越しに言う
「大丈夫よ。すぐ終わるから目瞑ってな」
「え…あ、はい」
振り向いてニコッと笑う
奏の言葉と信じて目を瞑る少年
「なっ…なんだコイツつえーぞ!?」
「いでででっ!!」
「わ…わかった!財布は返すから勘べ…」
男が言い終わる直前、ドンッ!!と大きい音が響く
(なっ…なにが起こったんだろ…)
「終わったから目開けな」
「はい…」
恐る恐る目を開ける
「え…」
少年が見た光景は三人が倒れている姿だ
「いきなり驚かせてごめんね。立てる?」