色恋
「はいっ!!」



3人は一斉に返事をし
海斗に向かって走り寄る


「客引けたぁ?」
腕を組んで話す海斗の
人差し指には
大粒のダイアモンドの指輪があり


それがネオンの光りを受けて
反射する。


新人3人には、それが
とても眩しい。


「…ゼロです。」

「すみません」

「ほとんどが秒殺
(キャッチで声をかけた子に一瞬で
断られる事)でした」


3人は入店して1ヶ月チョット
在籍が常時80人以上の
Dragon Risingではマダマダ
ヒヨッコだ。

「そっか。まぁ頑張れ」

新人3人は海斗の一言に
胸を撫で下ろした


そして海斗は携帯を
とても素早い手つきで
操作しながら話す。



「龍なんか入店1ヶ月で
No.3だったんだよ。
まぁアイツは昔から顔が
イイじゃんかぁ〜。
まぁ暗いのがたまに傷な位で
それも女から言わすと
クールって言葉になるんだな」

3人は海斗の目線が
携帯に向いている事を
チャンスに
海斗の装飾品を
これみよがしに見ていた


海斗は話が長いと有名だ



「まぁ龍と俺は中学から
ダチだからね〜」

GIORGIO ARMANIのスーツに
BVLGARIのネックレス
FRANCK MULLERの時計


どれもこれもが
ヒヨッコ新人には
手の届かない代物だ。


「あっ!」
突然携帯を操作していた
海斗の手が止まった

「龍は??来た??」
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