色恋

夜景

「・・・どうぞ。」



龍は玄関の扉を開けた



「・・・・・・・・・。」
女は無表情にうつむいままだ



「あっ!!」

龍は慌てながら
「そりゃそうだよね!
男の家だもんね!
…‥えっと違うよ!君に手を
出す気は全然ないし危ない事も
ないし、指一本触れないし、、、」


「…‥違う!!」
女の声に龍は驚いた。



「…私のね、アッ足が汚い…カラ。
床汚しちゃう。」



「そんな事気にしないから」


龍は少し笑った。





高層マンションの23階
間取りは3LDK。


猫と二人暮らしの龍には充分な
広さだ。



龍の趣味でインテリアは
シンプルな物が多く
猫が居るのに観葉植物が何鉢も
あり落ち着く空間だ。


「風呂沸かしたから音が鳴ったら
早く入って体を温めな!
バスローブとタオルはバスルームに
あるのを勝手に使っていいから
俺は君のケガの薬を買ってくる」


龍はコートを羽織った


「…でもこんな時間に薬局?」

女は龍に入れてもらった
コーヒーを片手に言った。


「ここは六本木だよ。大丈夫。
あと誰か来ても絶対開けちゃ
ダメだよ!すぐ戻るから」




女は家から出て行く龍の後ろ姿を
見つめていた
< 7 / 10 >

この作品をシェア

pagetop