ねぇ、好き。上
長瀬 桃花
ピピピピー…
ピピピピー…





また今日から、あたしの大嫌いな朝が始まる。

「桃花ー、起きなさーい!」




「んー…、もうちょっとー…」






絶対嫌だ。
起きたくない。
だって、学校なんか楽しくない。
いいことなんてない。


「こら、ダメ!もう、遅刻するよ?」




カンカンカーン!
カンカンカンカンカーン!!




「朝ですよー!起きなさーい!」






あー!うるさい…!
鼓膜が破れそう…





お母さんがお玉でフライパンをバコンバコン叩いている。

それ以上フライパンを強く叩いたらフライパンがへこみそうだよ…



もう6個は買い変えてるんだから…



まぁ、それは全部あたしのせいなんだけど…





「…もう、わかったからフライパン…やめてー…」




「わかったならよろしい。じゃあ、さっさと用意して学校に行きなさいね」







「…」
あと、少し寝よ…







カァァーンー…!
「寝るなぁっ!!」






「うわっ…!」




もうちょっと違う起こし方とかないのかな…?
あったらぜひ、紹介してほしいよ…

学校嫌だなぁ…






ちなみにあたしは、友達がいない。


昔はいたけど、いろいろ事情があって



もう友達は作らないと決めたんだ。

友達なんか信用しない。
信用できない。

友達なんかいらない。
欲しくない。

彼氏も一緒。
彼氏なんかいらない。
欲しくもない。




テレビでみたけど、彼氏が大切な人だなんておかしい。



あたしには、大切な人は家族だけ。


友達も彼氏もみんな他人だから。

あたしの大切な人なんかじゃない。









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