あたしの前世はあなたの恋人






調べたんだ。

ちなみに、僕が敬語じゃないのは心の中だけだから。

敬語はよそ行き用。

ここにいる人たちはしっているけど。


「斎藤壱歌、中二の春に車の衝突事故に巻き込まれて、意識不明の重態。結構大きい事故やったみたいやし」


……意識不明…?

……2年前の事故?


それは、僕が目の前で見たあの事故?

血で、どんどん溢れて赤に染まる女の子が、斎藤壱歌?



…………思い出したくない。



「そんで斎藤な、記憶なくしとるかもしれんのやて」


僕の顔が青かったんだろうね。

それに気付いた山崎さんが話を変えた。



………ていうか記憶…?





< 28 / 39 >

この作品をシェア

pagetop