東京へ 〜僕の夢を乗せて
僕は本当に甘かった

事務所に入れた事でかなり有頂天になっていた


それが二ケ月もたつと不安に代わっていった


CD用の写真を撮ったり


発声練習にも通い順調に進んでるかのように見えたが

突然の事務所の閉鎖


110万は返って来なかった

人が信じられなくなり家から外へ出れなくなっていた

誰とも会いたくない


でも父には電話をしなくてはいけない


電話の向こうで父は


『お金は働けばなんとかなるさ

おまえもいい経験をしたな
辛かったら帰っておいで』

母のすすり泣く声を聞き僕は大声で泣いた 


僕はすぐにも帰りたかった

こんな嘘だらけの東京なんて大嫌いだ


明日になればこれはきっと夢なんだと思えるはずた。

だが夢ではなかった現実を思い知らされた


くやしいこのまま負けをみとめる訳にはいかない。 

弱虫な僕にしてはかなりの強い思いがあった


このまま帰ったら


今まで応援してくれた両親と友達を裏切る事になる


僕は負けない! この東京と言う町で歌う事を諦めない


「母さん僕は強くなりたいです

僕に力を貸して下さい。」
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