そばにいて。
1
①
「く……っ。」
なんで…なんで、こんなに怪我を繰り返すんだろう…。
一生懸命、トレーニングをして、筋力をつけて、走り込んでいるはずなのに…。
どうして…。
今回で4度目だ。
度重なる捻挫に、私の膝は、悲鳴を上げていた。
小学校入学と同時に地元の女子サッカークラブでたまたま始めたサッカー。
サッカー好きな母親の勧めだった。
今でこそ、日本の女子サッカーは名実共に有名なものとなったが、私が始めた当時はまだ、女子サッカーの知名度は低いものだった。
それでも、サッカーを始めるとすぐに、私はその魅力に引き込まれていった。
小学生にして男子顔負けのサッカー少女となった私は、男子に混じってサッカーボールを蹴って休み時間を過ごした。