星に願っても…。

私の過去(キラside.)




28日。




今日は店を閉めて矢野ユウヤに会う。




きっとあの人は私の過去を知ってるから…。きっと…。






待ち合わせは12時半。私のカフェで。





今まではただのお客さんだった。話しやすいお客さん。






私とユウヤさんの関係が今までのまま続いていく可能性はほぼ0パーセント。





なのに、心のどこかで、今まで通り笑いあえたら…。なんて考えてる。





あの夢に出てきた人がユウヤさんじゃないなら…。そんなこと考えてもなにも変わらないこと分かってるのに…。




全部、全部分かってるのに…。






カランカランカラン…。





「こんにちは。」





「いらっしゃいませ。」





「closedって出てたから入るのためらっちゃた。」





その笑顔の裏で私をどう思っているの?




「あれ?ほんとですか?すみません!ちょっと変えてきますね?」





「あ、うん。」





カランカラン…。




外に出てclosedとなっているのを確認する。



もちろんopenにするわけがない。




カランカラン…。





「なってたでしょ?」





「はい。さっきまでお客さんいたんですけどね?そんなことひと言も言ってなかったから気づきませんでした。アハハッ。」





「そぉなの?気をつけないと~。お客さん来なくなっちゃうよ。」




アハハッと笑うユウヤさんを見るとやっぱり頭の奥がズキズキ痛む。








あの笑顔も同時に浮かんでくる。








< 63 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop