星に願っても…。




「これくらいしかないけど」




お兄ちゃんはトーストとサラダをだしてくれた




「ありがとう。」




私とお兄ちゃんは向かい合って座り、朝食を食べた。




食べ終わると



「じゃ、ちょっと昔話しようか」




食器をさげまた向かい合わせに座る。




「キラはなにも覚えてない?」




「ぅん…。」




「じゃぁ、俺のことも分かんないよな。」




声はやっぱりすんなり出てくれない。





「俺はトワ。キラはトワって言ってた。言ってみ?」




ふふっと笑いながら顔をのぞきこまれた




「ト…ヮ…。」




「ま、徐々に思い出してけばいいし、大丈夫だよ」





「あと、俺たちの両親は今はもういない。俺らが小さい時に死んだんだ。事故でな…。」




そんな大切なことすら思い出せないなんて…。





「うん。あのときは泣いたよ。でももう俺らも大人だし進まないとな。」




「うん。」





思い出せないことが悔しくて悔しくてたまらない。




きっと両親は優しかったんだ。お兄ちゃん…トワの目がすごく優しい。





「よし。今日はここまで。」




「ぇ?」




「なに?まだ教えてほしい?」



うん。とうなずく。




もちろん教えてほしい。私の失った過去を少しでも取り戻したい。




「そっか。でも昔話は一日二つな」



二つだけ…。



「ちょっとずつだよ。焦らなくても過去はいなくなったりしないよ。」





「うん。」




過去はいなくなったりしない。




でも…。






もっと知りたい。
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