星に願っても…。

~5年半前~(キラside.)





あれから半年たった。



半年前、トワのことを本当に信じていいのが不安だった。でも私はなぜか外にでるのがこわくて…。そんなときトワが私を支えてくれて…。


今ではトワは世界で一番大切な人。私のたった一人のお兄ちゃん。



きっと記憶がなくなる前もそう思っていたんだと思う…。









「トワ!マサキ!みてみて!かわいいでしょ」



マサキっていうのはトワの友達の瑞乃マサキ。私の治療をしてくれたお医者さんでもある。



久々にワンピースを着てみた



メイクだってしてみた



鏡の前に立つといつもとはまるで別人だった




「わ!やばい!キラちゃん好き!むぎゅっ!」




マサキが抱きついてきた




「ありがとー!やっぱマサキは分かってくれるぅ!」




二人ではしゃいでいるとトワが私たちを引き剥がした




「なにやってんの。マサキ」




「うわぁぁお兄ちゃんこわーい!マサキ怒られちゃったぁ」




妬いてる?



「ふふっ」




「なんだよキラ。」




「別にぃ~」




「マサキごめんねっトワが妬いちゃうからっエヘヘっ」




私はトワに抱きついた




「うわっちょ、」




「キラはトワのものだよぉーアハハハッ」





「お前そんなこと言って恥ずかしくないの?しかも俺妬いてない」





「トワ?嘘はよくないぞ?」




マサキまでトワをからかった



「うるせー。」




「あははっ」




楽しくて楽しくてしかたがない。




一年前トワが言っていた、焦らなくても過去はいなくなったりしないよ。という言葉の意味が少しは分かってきた…かな。





「あ、そぉいえば…。マサキなんで今日は来たの?私に会いに?」





「うん!せっかくの大事な大事な休みにキラちゃんに会うため!」




マサキのおべんちゃらは今日も絶好調




「ちがうでしょっ」




「うん!ちがう!……。昔話しにきた」




「……。そっか」




昔話…。楽しい話もあるけど…。悲しい話もある。




マサキはどっちをしてくれるんだろう…。




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