コンプレックスな関係

医大生って暇なのかとか思ったこともあったけど、やっぱり忙しいのね。


切った携帯を見てそう思っていれば、視線を感じて顔を上げる。


貴弥がじっと私を見つめていた。


「何?」
「今の、男?」
「だったら何?」
「夜遊ぶんだ?」
「この前、貴弥の喧嘩騒動でデートが潰れたからね。その埋め合わせよ」


貴弥へ視線を移すことなく携帯を鞄に放り込んで、視線を貴弥に向ければ、なぜ貴弥の表情は固かった。


「何?なんでそんな凍ったみたいな顔してんの?」


首を傾げて尋ねると、貴弥がふいっと顔を逸らした。


ちょっとムッとした。


「言いたいことがあるなら言いなさいよね。そんな不機嫌面されるとこっちも大概気分が悪いわ」


溜息交じりにそう言うと、貴弥は逸らしていた顔を更に機嫌悪そうに歪めた。


なんか、その態度って余計腹立つんですけど?


憮然と貴弥を睨んでいると、貴弥がちらりと視線を寄越した。


「なに?」


腹が立っていたのもあって、無愛想に言うと、貴弥から思ってもなかった言葉が出できた。
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