コンプレックスな関係
第6話


月曜日というのは、どうしてこんなにも憂鬱なんだろう。


あの合コンから一週間。


私の頭の中にあるのは、陽典君の告白。


「でさ。その女がちょっとしつこくてさー」


目の前では、貴弥が遊んだ女の話をしている。


逆ナンされて遊んだ女の子から、しつこく付き纏われてるらしい。


「自業自得でしょ。自分でどうにかしなさいよ」


相手選ばずで遊ぶから、そういう事態になるんだっての。


面倒な事態になると


彼女として話付けてきてくれ。


そう言う。


なんなのよ。


「どこで知ったのか、俺の家まで知っててさ。美和がすげー不安がってんだよな」


貴弥のせいでしょーが。


「美和がさ、冷たいんだよなぁ……」


だから、それも自業自得だってば。


「貴弥さぁ。女遊びやめたら?美和ちゃん、そういうのが嫌なんじゃないの?」


ごめん。美和ちゃん。


今だけ、美和ちゃんを隠れ蓑にさせて。


「今まで美和からあんな冷たい視線を感じたことねぇし。……もしかして、莉生、妬いてんのか?」


貴弥の表情が少しだけ剣呑なものになる。


やばい。


嫉妬してることがバレたら、貴弥は私を切り捨てる。


貴弥にとって、私は建前の彼女でしかないんだ。


「別に?貴弥の女遊びなんて今更でしょ。嫉妬なんかしてたらこっちの身がもたん」


焦る心に蓋をして、私は冷静を装う。


「さすが莉生。って訳で、今夜その女呼ぶから話し付けてくれよな!」


……あー。



もう、泣きたい。


何が楽しくて、彼氏の女遊びの尻拭いなんかしなきゃなんないんだろう…。


そうして、その夜。


私は、もう何度目かわからない修羅場に足を運んだ。


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