愛し方もわからずに。
「あ、萌香ちゃん!!」
あたしが遠慮がちに近づいていくと、千尋君がそれに気付いて声をあげた
「本当に待ち合わせだったんだぁ~」
「ざんねーん
もし偶然あったら遊ぼーねぇ」
千尋君は笑顔で手を振っている
わお
すごい猫なで声
…じゃなくて
「知り合い?」
「違うよー
なんか逆ナンされちゃった」
逆ナン…
あたしなんかそんなの、薫と一緒の時しかされたことないぞ
「俺、新しいスパイク買いたいんだ
付き合ってくれる?」
買いたいものってそれのことか!
「おっけー」
あたしたちは、スパイクを買いにスポーツ店へと入った