緋~隠された恋情
玄関のあたりでコトリと人の気配がした。
「!?」
キッチンの窓の向こうに人影が流れた。
「徹平?」
玄関から転がりでるようにして通路に出た。
あたりを見渡したけど、
それらしい人影はなかった。
「おかしいな、確かに誰かいたのに。」
「どうした。」
「徹平じゃないかな、誰かが部屋の様子伺っていたの。」
カンカンと階段を上る足音。
そこに誰かがいたことは確かで、
それにすがるようにその音を追いかけた。
「おい、待てってありさ!」
止めるお兄ちゃんの声。
それでも、追跡をやめることはできなかった。
足音は非常階段の足音は、
すぐ上の階の非常扉の締まる音と共に消えた。
何故?
私も扉を開け上のフロアに踏み込んだ。
そこには誰もいなくて、
でも、カチャンとしまった瞬間の独特な音が、
真ん中の部屋で聞こえたのを聞き逃さなかった。
『宮池』、聞いたことない苗字。
その表札が、妙にざわざわとさらなる不安を煽る。
ゴクリと息を飲みこんで、
チャイムを鳴らす。
私の第六感みたいなものが、チリチリと首筋で危険を知らせる。
「!?」
キッチンの窓の向こうに人影が流れた。
「徹平?」
玄関から転がりでるようにして通路に出た。
あたりを見渡したけど、
それらしい人影はなかった。
「おかしいな、確かに誰かいたのに。」
「どうした。」
「徹平じゃないかな、誰かが部屋の様子伺っていたの。」
カンカンと階段を上る足音。
そこに誰かがいたことは確かで、
それにすがるようにその音を追いかけた。
「おい、待てってありさ!」
止めるお兄ちゃんの声。
それでも、追跡をやめることはできなかった。
足音は非常階段の足音は、
すぐ上の階の非常扉の締まる音と共に消えた。
何故?
私も扉を開け上のフロアに踏み込んだ。
そこには誰もいなくて、
でも、カチャンとしまった瞬間の独特な音が、
真ん中の部屋で聞こえたのを聞き逃さなかった。
『宮池』、聞いたことない苗字。
その表札が、妙にざわざわとさらなる不安を煽る。
ゴクリと息を飲みこんで、
チャイムを鳴らす。
私の第六感みたいなものが、チリチリと首筋で危険を知らせる。