緋~隠された恋情
「どなたですか?」

薄くドアが開き、隙間から若い男の子が応対してくれた。

まるで、何も知らないような素振りをしているけれど、

息が乱れている。


さっきの人影は彼だろうことは一目で判った。


「さっき、下の部屋を伺ってた人ですよね?」

我ながら、随分直球勝負をしているなと思ったけど、

感のようなものが、

今ここでこうするべきなのだと、私を煽るのだ。


「いいえ?違います。」


声が上ずって、目が不審な動きをている。


「そうですか、私の勘違いでしょうか?

 実は私、人を探していて…」


「------シオン!」


部屋の奥の方から聞こえてきた人の声は、

懐かしい声だった。

疲れたような弱弱しいこえだったけど、

間違えるはずがない。

半年も一緒に暮らした

今一番会いたい人の声


「徹平!徹平いるの?」

「あちょっと……君っ」


「徹平いるんでしょ?」


私は部屋の持ち主であろう彼を押しのけ、

無理やり部屋に飛び込んだ。


「徹平!」

声の聞こえた置くを目指す。



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