緋~隠された恋情

「ねえ、ありさちゃん。

 私なんかが言う事じゃないのかもしれないけど、

 素直になればいいと思うわ。


 なんか、ややこしいことになってるみたいだけど、

 物事を複雑にするのは、

 結局カッコつけて重ねてしまう人間の業なのよ。


 素直になれれば、案外シンプルに物事は片付いてしまうものよ。」


真央さんは洗い物の手を止めて、

私を見つめ、そしてため息をついた。


「新くん時々ここで私を抱くの。」


「え?」



ガシャ!


手に持ったグラスを

シンクに落として派手な音を立てた。



「ご、ごめんなさい。

 あっ…」


慌てた私は素手で破片をかき集め

ざくりと人差し指を切ってしまった。



「大丈夫?待って絆創膏あるから。」


真央さんは、

私の指にくるくると絆創膏を巻きながら、



「ごめんなさい。

 誤解しないで、

 こんなの言いたいわけじゃないんだ。


 私たちは、別に愛とかそんなんじゃないから。」
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