緋~隠された恋情
絆創膏の巻かれた私の手をきゅっと握って、

真央さんは続ける。


「私たちは、お互いを慰めるためだけに抱き合っただけ。


 それを証拠に、彼は行為の時。

 別の女の名を呼ぶのよ。」



「それは…」



「知りたい?その人の名前。」


どくん


知りたくないといえば嘘になる。


どくん


でも、怖い


どくん



「新くんは…」



「やめてください聞きたくありません!!」


「そう。もし私がいる間に聞きたくなったら言って、

 あなたには聞く権利があるから。」


権利?


お兄ちゃんの愛している人の名前を私が?


もしかしたらなんて期待が心の隅でふくらんで、


でも、それよりもっと私を支配したのは、

衝撃を受けたのは、

お兄ちゃんと真央さんの関係。


大人なのだからそういうことが在ったって不思議はない。


時折出かけて深夜に帰ったりするのは、

真央さんとそういう関係だったから


でも、

そんな事実知りたくなかった。



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