鬼畜店長
今日はラストじゃないからいつもより早く帰れる。
さっさと私服に着替え、スタッフルームで帰宅準備を整えていると、店長が仕事もしないでじーっとこっちを見てくる。
なんなんだ。そんなに構ってほしいのか。
「あーお前さ、どうせそのどんちゃん騒ぎのあと二次会とかすんだろ?」
「んー、去年の感じだとやるっぽいっすね。」
「どこでやんだ?」
「さぁ?人数もまだ分かんないし、やるか自体もわかんないんで、どことかって具体的な話はしてないと思いますよ。」
いつもは駅前の結構人数入れるお店にお世話になってるけど今年はどうするんだろう?
あたしは平サークル員だからそこら辺は幹部に任せっぱなしだ。
「なら、この店来いよ。どーせなら売り上げに貢献しろ。」
「え、嘘?!良いんですか?!」
「なんでこんなことで嘘つかなきゃなんねーんだよ。」
「だ、だって、店長、そーゆうの嫌いじゃないですか!!」
「あ?別にんなこと言ってねぇだろ。モノ壊したりしねーなら来ても構わない。」
「マジですか!じゃあ幹部に言っておきます!やったー楽しみ!」
店長がこんな優しい提案をしてくれるなんて珍しいなー。
この店に友だち連れてきたことないから楽しみだ。
このなんだか良さげなバーは、正確には店長自慢の料理がいただけるダイニングバーなのだ。
女子会なんかで使われることが多い。
「あ、じゃあこれからは友だちも連れてきて良いってことですか?!」
「だから、オレはなんも言ってないのにお前が勝手に連れてこなかっただけだろ。だが連れてくるなら可愛い子を連れてこい。そして紹介しろ。」
「エロ親父。」
「欲望に素直だと言え。」