ワレワレハ宇宙人…ラシイ?!

ちょっと、しみじみ、しんみりと。

話は前後するかも知れないが、高校受験をいよいよ来年に控え、あの「機動戦士ガンダム」が、ダイターンの後番組で放映され始めた頃。

ダイターンで主人公の破嵐万丈(ハランバンジョウ)の声を担当していた声優さん、故、鈴置洋孝氏にお会い出来る幸運に恵まれた。

FCのインタビューとして、トキさんが鈴置さんと、コンタクトを取ってくれたのだ。

当時、劇団薔薇座に在籍してらした鈴置氏は、結婚したての、25、6の若者だったと思う。

ダイターンが終わって、ガンダムのブライトをアテている時期だった。

氏は、中坊の勝手なお願いに快く、応じて下さったのは、サンライズの富野さんの時といい、当時は電話で平気でアポが取れた、本当に良い時代だったのかも知れない。

小さなカセットデッキ片手の中坊の私達と、喫茶店でいろいろお話をして下さった氏は、静かな優しい口調だったのを覚えている。

それなのに、快男児の万丈や固い軍人のブライトなど、役に入った時の役者さんは凄いと改めて感じた。

後年、新撰組の斎藤一の声を演じてくれた時、とても嬉しかった。

何故、後年、もっと真剣に応援しなかったのか、自分自身が悔しい。

インタビューが終わってちょっと打ち解けた時、氏がお腹が空いたので、お好み焼きでも食べようと誘って下さった。

今もあるかどうかわからないが、高田馬場のビックボックスの中にある、お好み焼き屋で、三人で仲良く食べた事が、とても印象深い。

当時、薔薇座の若手俳優だった氏は、経済的に余裕がなかったに違いないが、中坊の私達に出させるのは忍びないと思って下さったのか、
「もっと売れたら、キチンとご馳走するね。」
と、割り勘した、端数の50円を負担して下さった。

ご馳走になるのは、どうでも、その後、お会い出来ぬまま、氏が他界されてしまった事は、かなりショックだった。

満足なお礼もしていなかったので、申し訳なく、今もって心残りこの上ない。

鈴置洋孝氏にあらためて、ご冥福をお祈りしたい。

暫くしてから、今度は、ビューティフル橘役の水野カコさんにも、インタビューをお願いした。

優しくて可愛い女性だった事を覚えている。

役者を辞められたと、聞いたが、カコさんにも、失礼な事にご無沙汰してしまった。

反省の一言だ。
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