愛を知る日まで




…きっと、真陽も今、そんな辛さを抱えてるんじゃないだろうか。




あの小さい身体で高熱に耐えて


不安で淋しくてベッドで縮こまってるんじゃないだろうか。






――――会いたい。



会って、側にいてやりたい。


不安に揺れる瞳を覗き込んで「大丈夫だよ」って熱い頬を撫でてやりたい。


少しでも真陽の辛さを取り除いてやりたい。


そしてきっと

傍らで見守りながら、大丈夫だってすぐ治るって、俺も安心したいんだ。




好きな人が手の届かない所で苦しんでる事が、こんなに悲しいだなんて。


大切な人の安否が分からない事が、こんなに虚しいだなんて。



俺はいつも真陽に支えてもらってるのに

あんなに真陽に助けてもらったのに



なんで

なんで俺は彼女に何一つしてやれないんだろう。






< 116 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop