愛を知る日まで
「…真陽…!!」
駆け寄って堪らず抱きついた。
彼女の驚いた顔が一瞬瞼に焼き付く。
けれど、真陽は拒む事なく俺を抱きとめてくれた。
「なんで…なんで連絡くんなかったんだよ!すっごい淋しかった!すごい心配で夜も眠れなかった!真陽のバカ!バカ!」
丸出しの感情で力いっぱい小さな身体を抱きしめた。気持ちが溢れて止まらない。
会いたかった、淋しかった、不安だった。
こんな道端の往来しかも園の前で抱き合って、危うい事をしてるのは分かってる。
でも、止められない。
そんな俺の頭を真陽はそっと撫でてくれて
「ごめん、不安にさせちゃったね。」
優しく、そう呟いた。
俺の心を包むように。