愛を知る日まで
これが正しいとは思えない。
誰かに見られる可能性が高過ぎる。
ましてや真陽の了承も得ずに、こんなの下手すりゃストーカーじゃないか。
けど、どうしてもどうしても会いたくて。
俺はメールのあった翌日、ぬくもり園の前で真陽が仕事を終えるのを待ち伏せした。
これ以外、すぐに彼女に会える方法が分からない。
怒られるかも。困った顔されるかも。
それでもいい。抱きしめたい。抱きしめて欲しい。
…真陽のバカ。こんなに、こんなに俺を不安にさせて。
絶対許してやんないんだからな。
抱きしめてキスして…俺のコト好きだって言うまで、許してやんない。
焦がれる想いで遅々とした時を待ち伏せる俺の目の前に、街が夕暮れに染まる頃やっと真陽が現れた。