愛を知る日まで

欲しいものがこの腕の中に堕ちる夢を








自覚した初めての恋は、日を追う毎に切なさを増した。



真陽。櫻井真陽。

好きだ。凄く好きだ。


自分の中でいっぱいになってしまった気持ちをどうすればいいのか、俺には分からない。


もっと彼女に会いたい。毎日顔が見たい。彼女の全て知りたい。もっと一緒にいてもっと話をして。そして、あの華奢な肢体を抱きたい。



切なさがこんなに狂おしいなんて知らなかった。



もしも。彼女が俺のものになったら。


真陽は俺をどんな声で呼ぶんだろうか。

どんな瞳で見つめて、どうやって身体を寄せて来るんだろうか。

きっと俺の腕にすっぽり収まる小さな身体は、温かくていい匂いがするんだろうか。


知りたい。欲しい。彼女の全てを。



熱く昂る想い。


けれど。どんなに想ってもいつも最後に行き着く場所は同じだった。




---櫻井真陽には婚約者がいる。




その現実が、俺の情熱を粉々に打ち砕いた。




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