愛を知る日まで
どうしよう、なんて切りだそう。『どうして来てくれたんだ?』なんて聞くのは野暮かな。
嬉しくて、気恥ずかしくて、何だかいっぱいいっぱいの頭になりながら表情に出さないように注意してケーキを食べた。もう味なんて全然分からない。
向かい側に座る真陽にふと視線を上げると、嫌な物が目に飛び込んできた。
…なんだよ。今日ぐらいそれ外して来いよ。
ちょっと不機嫌になって俺は拗ねながら言った。
「…それ、外して。」
「え?」
「俺、ソレ嫌い。外して。」
「?何のコト?」
「ソレ、左手の。俺の前では外して。」
「えっ、指輪のコト?」
「そう。ムカつく。」
そう言った俺に、真陽は驚きと戸惑いを交ぜた表情で答えた。
信じられない言葉を。
「だ、だって、コレ婚約指輪だし。前も言ったけど、なるべく着けていたいから…」