愛を知る日まで





「私…柊くんに、何もしてあげられない…何も約束してあげられない…

…辛い想いさせて…ゴメン……」



そう言った真陽の言葉が、俺は悲しかった。



俺は今、こんなに幸せなのに。


幸せで幸せで、大切な時間を過ごしているのに。


まるで、この幸せは嘘だと。間違いだと謝られているみたいで。



「真陽…!謝るな!謝るんじゃねえよ!」


俺は必死になって真陽の言葉を否定した。


例えどんな罰が待っていたって、俺は絶対にこの幸せを後悔しない。過ちだと認めない。


だって。俺はこの幸せに巡り逢うために生まれて来たのだから。




「…何もしてやれないとか言うなよ。 今ここに居てくれてるじゃん。それじゃダメなの?」

「…でも…」

「じゃあ笑って。笑って、それで…

…俺のコト、好きって、言ってよ。」




それだけで、それだけでいいんだ。


他に何もいらないよ。居場所も友達も、自分の未来や夢だっていらない。


ただ、真陽がいればいい。この腕の中に、この温もりがあればそれでいいんだ。



「…好きだよ、柊くん。」


とても切なそうにそう呟いた真陽の唇を、俺は伝っていた涙ごと舐め取って口付けた。




< 80 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop