愛を知る日まで
「私…柊くんに、何もしてあげられない…何も約束してあげられない…
…辛い想いさせて…ゴメン……」
そう言った真陽の言葉が、俺は悲しかった。
俺は今、こんなに幸せなのに。
幸せで幸せで、大切な時間を過ごしているのに。
まるで、この幸せは嘘だと。間違いだと謝られているみたいで。
「真陽…!謝るな!謝るんじゃねえよ!」
俺は必死になって真陽の言葉を否定した。
例えどんな罰が待っていたって、俺は絶対にこの幸せを後悔しない。過ちだと認めない。
だって。俺はこの幸せに巡り逢うために生まれて来たのだから。
「…何もしてやれないとか言うなよ。 今ここに居てくれてるじゃん。それじゃダメなの?」
「…でも…」
「じゃあ笑って。笑って、それで…
…俺のコト、好きって、言ってよ。」
それだけで、それだけでいいんだ。
他に何もいらないよ。居場所も友達も、自分の未来や夢だっていらない。
ただ、真陽がいればいい。この腕の中に、この温もりがあればそれでいいんだ。
「…好きだよ、柊くん。」
とても切なそうにそう呟いた真陽の唇を、俺は伝っていた涙ごと舐め取って口付けた。