愛を知る日まで
心のどこかでマズイよなと思いながらも、結局俺は二回とも避妊具無しで真陽を抱いていた。
雰囲気に流されたと云うのがまあ正直な所だけど。でも、真陽を大事に思うならそれは良くないコトなわけで。
今度からちゃんと着けよっと。
反省しながら俺は再び熱いアスファルトの上をペタペタと歩いて、 真陽の待つアパートへと帰っていった。
帰ってもまだよく寝ていた真陽は、ナポリタンが丁度出来上がる頃ようやく目を覚ました。
寝惚けた顔でモソモソとシャツを着て顔を洗いに行った彼女を見て、俺は『真陽ってホントお寝坊だなぁ』と一人クスクスと笑った。
味見をして我ながら美味く出来たと満足気にナポリタンをテーブルへと運ぶ。洗面所から戻った真陽を座らせ自分も向かい側に腰をおろした。
こんな風にテーブルを挟んで一緒に出来る食事がたまらなく嬉しい。
そして、誰かに自分の料理を食べさせたいと初めて思えたコトも。
俺は嬉しくて嬉しくてたまらなかったのに。
真陽は、また、泣いてしまった。