愛を知る日まで
夜になってやっと来た彰は、外で話をしようと言って俺を連れ出した。
乗せられた車には彰の子分らしき男が二人乗っていて、つまりそれはどういう事か簡単に察しは着いた。
「めでてえ話だ、飯でも食いながら話そうぜ。柊、何がいい?寿司か?それともでっけえステーキでも食うか?」
上機嫌で彰が言った。
「それとも女のいる店がいいか?お前スケベだからなあ。」
ケラケラと彰が笑うと、併せて男二人もわらった。
けど、俺だけはピクリとも笑わず、助手席の彰に言った。
「そこの公園で降ろせ。あそこならこの時間は人がいないからいいだろ。」
俺の言葉に、車内の空気が一瞬で変わる。
不穏。いや、殺気。
凶暴な男たちの俺に対する殺気が車内に立ち込めた。
水を打ったような沈黙が続き、しばらくして彰がフーッと大きな溜め息をついた。そして
「おい、テツ。そこの公園で止めろや。」
気だるそうに運転手の男にそう指示した。