初恋
第二章「告白」

昨日は最悪な1日だった。

小学校のときに、私の小・中学校の人生をめちゃくちゃにした、大キライなア

イツが...同じ学校に通ってた...。

こわい。そんなことにビクビクしながら過ごす1日はとても苦しかった。なの

にアイツは私を見て

「今朝の...大丈夫だったか?」

...なんて聞いてきた。私がこんな気持ちだということも知らないで...。そし

てあっという間の日々。

「おはよー加奈!!」

「おはよー↓ちさ。」

テンションが低い私にちさは心配そうな顔をする

「加奈、大丈夫?やっぱり山崎くんのこと?」

「うん...。」


「「「「キャーーーーー!!」」」

またか......と思いきや...。

「「「「中山くぅん...!!!♡」」」

誰だそりゃ...くるりを振り向くと、またまたイケメンくん登場...か。ちさの

方へ振り向き、またため息。...と

「あーーーーー!!お前!!」

と叫びだす中山くん...。まぁ、男なんて興味ないし。

「行こ、ちさ。」

「うん....。でもさ加奈。中山くんアンタのこと指してるよ。」

「は?」

くるりと振り向くとまさにその通り中山くんは女子の注目の中、私を指さして
る。

「まっいいじゃん?行こ。」

「う...うん。」

とくるりと向き返り行こうとする私に

「おい!!無視かよ!!」

という中山くんの声とつかまれる腕。

「あの...どちら様で....何か用ですか?」

私の質問に目を点にする中山くん。

「おいおいおい。昨日、俺が告ったのにお前青い顔して殴ってくたじゃねぇか
!!!」

何かそんなこともあったよーな。でもそれどころじゃなかったし...。

中山くんの"告白しました"発言に女子がざわめく。

「ゴメン、覚えてないです。」

「じゃーもう一回言う!

     俺と付き合ってください!!」

「ごめんなさい。全然知らない人と付き合う気ないんで....。」

ざわめく女子ども。その中から1人キライなアイツが近づいてきた。

「おい。さとっ!もう諦めろ...行くぞ。」

しぶしぶと歩く中山くん。中山くんが振り返ると

「加奈ちゃーん。俺がんばるからぁー!」

中山くんが"加奈"といったところでアイツがピクリと反応した気がする。大き

く手を振る中山くんにまたまたため息が出た。

「にぎやかなんだね。」

「そーだね。でも何でちさじゃなくて私なんだろ?」

「カワイイからじゃない?」

ちさの言葉に

「ありえない、ないないない。ちさの方が100倍...いや、∞倍カワイイよ。」

「無自覚ね。カワイイ♡」

「んもーーーーちさっ!!」


   優SIDE

登校して来ると女子がざわついている。

みんなが見てる方向を見ると...俺のダチ、中山さとしがこの前の女子に告白
していた。

「じゃーもう一回言う!
     俺と付き合ってください!!」

何してんだあいつ。ソッコーふられてるし。

でもさとが告るのもムリない。さとはめんくいだからあれだけ可愛かったら告

るだろう。

だが俺は校舎内に入る前のさとの言葉で現実に戻された。

"かな"なんだか聞いたことがある名前。気になって聞いてみた。

「えー、加奈ちゃんのフルネーム?『山谷加奈』だよ?」

"やまだにかな"聞いたことある。

「ゆー、取らないでよー。俺が目ぇつけてんだから。」
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