青いブレスレット
イライラしながら階段を降りる。


足元も見ずに歩いたせいか、階段を踏み外した。



あっ、やばい………!



血の気がさあっと引く。



すると…。



誰かに腕を強く引かれ、落ちずにすんだ


そして、その場に立たせてくれる。


振り返ると………

………水原くん。



「大丈夫?」

「あ、ありがとう…」

「よかった。じゃ帰ろっか」


水原くんは何事もなかったように歩き出す。

何事もって今のことじゃなくて、さっき教室での………。


「え?水原くんさっきの女の子たちと遊ぶんじゃ…」


水原くんは振り返って、え?という顔をする。


「行くわけないじゃん」

え、そうなの…?


わたしが立ち止まってボーッとしていると、水原くんは言葉を続けた。



「だって、雪川さんと帰る方が楽しいでしょ?それに、もし雪川さんが男の子と遊びに行ったら嫌だし」



水原くんにとってそれは当たり前のことのように言う。


でもわたしは、すごく嬉しかった。



そして、イライラしていた自分が恥ずかしくなった。

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