青いブレスレット
…え、この声は…。

見上げると、中谷が立っていた。


思いもよらない相手が立っていたので、わたしはびっくりして手に持った物をまた落としてしまった。


「お前相変わらずだな」

やれやれといった様子で、中谷は散らばった物を拾ってくれる。


「ほら」

「あ、ありがと…」


わたしは目線をそらして、中谷から物を受け取った。



「あれ?これ…」


中谷がわたしの手にある物をじっと見る。


「もしかして俺があげたやつ?」

わたしも思わず、自分の手にある物を見た。


…あ。

メモ帳やハンカチに紛れて、銀色に光るもの。


中谷がくれた、ハートのネックレス。



バッグのポケットに入れてたことを、今の今まで忘れていた。


中谷はわたしの手からネックレスをひょいと取ると、まじまじと見た。

「へえ、ずっと持ち歩いててくれてたんだ」

「別にそういうわけじゃ…」



わたしは否定しかけて、言葉を止めた。



…ん?


気のせいかな?



ネックレスを見る中谷の顔が、嬉しそうに見える…。

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