青いブレスレット
「…!?」



中谷が顔を近づけてくる。


逃げられない。



思わず目をつむった。




…あれ?


何もない。



目を開けると、わたしからあと10㎝くらいのところで止まっている。



「もう諦めたならキスしていい?」

「はあ!?」

「お前がそんな簡単に諦めるなら、振られた俺がバカみたいじゃん」



そう言われて、わたしは何も言い返せず、口をつぐんでしまった。



「お前は昔から、自分のことネガティブにとらえる癖があるよな。自分は可愛くないから、ダメだからって」



中谷がわたしをじっと見る。

わたしも目をそらせない。



「そういう考え方すると、本当にそうなるんだよ。本当に可愛くなくなって、ダメになるんだよ。俺だってそういうセリフ聞きすぎて、そう見えてきたんだよ」


…そうだ。



わたしは中谷と付き合ってるときだっていつも、わたしは可愛くない、ダメだって、ずっと言ってた。




そっか、その考え方が、自分を本当にそうしちゃうんだ。
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